税理士という職業は、AIが普及しても消滅する可能性は低いと考えられます。一方で、記帳や簡易な申告書の作成といった定型的な業務は自動化が進んでおり、税理士に求められる役割は変わりつつあります。税理士を目指すか迷っている未経験の方にとっては、仕事がなくなると言われる理由が自分にも当てはまるのか、AIに代替される仕事と残る仕事は何か、今から目指しても遅くないのかが気になる点だと思います。この記事では、仕事がなくなると言われる理由、AIに代替されやすい仕事と代替されない仕事、これからの税理士に必要なこと、業界の動向を整理します。あわせて、未経験から税理士になるための受験資格と進め方も紹介します。AIで税理士の仕事は完全にはなくならない!職業としての将来性AIが普及しても、税理士の仕事のうち法律上の責任を伴う業務や判断を要する業務は残り、職業そのものは続くと考えられます。ただし、業務の中身は変化しており、その変化に対応できるかどうかで、仕事の量や収入に差が出ると考えられます。職業がなくなることと、業務の中身が入れ替わることは別の話です。税理士の仕事には、記帳や仕訳のようにルールに沿って処理できる作業と、取引ごとの事情を踏まえて判断し、顧客に説明する仕事が含まれます。AIや会計ソフトが担うのは前者が中心です。後者は、判断の根拠を説明し、結果に責任を負う人が必要なため、人の仕事として残ると考えられます。仕事がなくなると言われる場合は、定型作業の一部が減ることを指しているケースが多くあります。10年後、20年後も税理士として生計を立てられるかは、次の点によって変わるため、一律には言えません。扱う業務が定型作業中心か、判断や助言が中心か顧客の業種、規模、地域専門分野を持っているかAIや会計ソフトを業務に組み込めるか定型作業だけに依存する働き方は、自動化の影響を受けやすいと考えられます。税理士の仕事がなくなると言われる3つの理由税理士の仕事がなくなると言われる背景には、次の3つの理由があります。職業のコンピュータ化を分析した論文で、会計業界の職種が挙げられたこと会計・税務のクラウド化とDXで、記帳や申告が効率化したこと顧客である中小企業の数が減っていること理由ごとに、これから目指す人への影響の大きさは異なります。職業のコンピュータ化を分析した論文で会計業界の職種が挙げられたから税理士の仕事がなくなると言われる主なきっかけは、2013年にオックスフォード大学の研究者らが発表した論文です。この論文では702の職業を対象に、将来的にコンピュータへ代替される確率が推計されました。論文で提示された分析結果の概要は以下の通りです。米国における推計: 雇用の約47%が自動化される可能性が高い区分に分類(定型的な事務作業などが中心)日本における推計: 2015年の野村総合研究所との共同研究により、国内労働人口の約49%が就く職業で代替可能と発表会計や税務に関する業務も推計対象に含まれていたため、税理士の仕事自体が将来消滅するのではないかという懸念が広がりました。しかし、これらの研究は技術的に自動化できる可能性を示したに過ぎません。総務省の「情報通信白書」でも言及されている通り、業務単位で細分化して検証した場合、大半の作業が自動化される職業は約9%にとどまるとする慎重な研究データも存在します。実際、日本税理士会連合会の公表によると、令和8年(2026年)8月末時点における全国の税理士登録者数は82,343人に達しています。論文発表から10年以上が経過した現在も登録者数は堅調に推移しており、単純な職業の消失ではなく「自動化されやすい定型作業の特徴が示された」と捉えるのが適切です。参考:総務省 平成30年版 情報通信白書 Oxford Martin School The Future of Employment 野村総合研究所 ニュースリリース 日本税理士会連合会 税理士登録者数会計・税務のクラウド化とDXで記帳や申告が効率化したから会計ソフトのクラウド化により、入力や集計をオンラインで行えるようになりました。電子申告と組み合わせると、帳簿の作成から申告までの作業を、税務署に行かずに一連で進められます。自分で申告する人も増えています。財務省の広報誌によると、令和6年分の所得税等の確定申告では、申告人員の74.0%がe-Taxを利用しました。また、国税庁の確定申告書等作成コーナーや会計ソフトを使い、自宅からe-Taxで申告した人は35.2%でした。取引が少ない個人事業主や給与所得者など、申告内容が単純な人ほど、税理士に依頼せずに済む場合があります。入力や転記が中心の業務は減り、自動処理の結果を確認して顧客に説明する業務の割合が高まるためです。参考:財務省 税務行政のDX推進と令和6年分の確定申告におけるe-Taxの利用状況顧客である中小企業の数が減っているから税理士の主な顧客である中小企業の数は、減少傾向にあります。中小企業庁の集計では、中小企業の数は2016年6月時点の357.8万者から、2021年6月時点の336.5万者へ減り、1年当たり4.3万者のペースで減少しました。減少の背景の一つに、経営者の高齢化と後継者不足があります。後継者不足については中小企業白書の2025年版によると、中小企業の後継者不在率は過半数を超えています。特に地域の小規模事業者を顧客の中心とする個人開業の税理士は、影響を受けやすいと考えられます。そのため、これから目指す人にとっては、就職先や独立後にどのような顧客層を担当するかによって、影響が変わります。参考:中小企業庁 中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点) 中小企業庁 2025年版中小企業白書 第9節 事業承継AIに代替されやすい税理士の仕事3選AIに代替されやすい税理士の仕事は、次の3つです。記帳代行・仕訳入力簡易な申告書の作成定型的な集計・財務諸表の作成3つに共通する特徴は、次のとおりです。ルールが決まっている元になるデータが電子化されている判断の余地が小さいこの特徴を他の業務に当てはめると、自動化されやすいかどうかを見分けられます。記帳代行・仕訳入力レシートや通帳のデータの読み取りから仕訳までが自動化され、記帳代行の需要は減っています。銀行口座やクレジットカードと会計ソフトを連携すると、取引データが自動で取り込まれ、勘定科目の候補が提案されます。紙のレシートや請求書も、AIによる文字認識でデータ化できます。記帳代行の報酬は、次の理由で下がりやすい傾向にあります。自動化により1件当たりの作業時間が短くなり、作業量に応じた報酬を設定しにくくなる記帳代行は税理士業務に含まれず、税理士業務に付随して行う会計事務として位置づけられているため、税理士以外の事業者も提供できる顧客が自社で記帳する自計化が進み、外注する範囲が狭まる未経験者が最初に任されやすい入力業務が減ると、実務経験の積み方も変わります。入力作業の経験が減る一方で、自動仕訳の結果を確認して勘定科目や消費税区分を判断する経験や、通常と異なる取引を調べて顧客に確認する経験が中心になります。経験の積みやすさは、事務所の顧客構成、業務の分担、ツールの導入状況によって異なります。参考:国税庁 税理士制度のQ&A 2 税理士の業務簡易な申告書の作成個人事業主や給与所得者など、内容が単純な申告は、ソフトや自動化で完結しやすくなっています。国税庁の確定申告書等作成コーナーのように、画面の案内に沿って入力すると申告書を作成できる仕組みがあるためです。税理士業務は、他人の求めに応じて行う業務と定義されています。本人が自分の申告書を作成することは制限されていません。申告書の作成ソフトを開発したり販売したりすることも、税理士業務には当たりません。簡易な申告と、税理士の関与が必要になりやすい申告の境目は、次の点によって変わります。取引の数と種類(給与のみか、事業所得の取引が多いか)消費税の課税区分の判断が必要か不動産の譲渡、相続、海外資産など、特別な計算や特例の適用がある取引があるか個人事業主か、法人かこれらが複雑になるほど、人による確認と判断が必要になります。参考:国税庁 税理士制度のQ&A 6 税理士法違反行為定型的な集計・財務諸表の作成試算表や決算書の集計、計算といった定型部分は、会計ソフトが自動で行うようになっています。財務諸表の作成は、税理士が税理士業務に付随して行える会計事務にあたり、独占業務ではありません。一方で、集計結果を読み解いて使う作業は別の仕事です。売上や利益の推移から、資金が不足する時期、利益率が低い原因、設備投資や借入を行えるかどうかを読み取り、経営者に説明する作業には、事業の実態や経営者の意向を踏まえた判断が必要です。集計と計算は機械化が進み、読み解いて意思決定に使う部分は人が担うという区別が、この業務にも当てはまります。AIに代替されない税理士の仕事5選AIが進化しても税理士に残る仕事は、次の5つです。独占業務法的責任を伴う業務高度な税務判断税務調査対応経営者への経営・財務アドバイス共通する条件は、次のとおりです。法律上の責任が伴う顧客ごとの個別事情の判断が必要になる税務署や経営者などとの対話や交渉が必要になる代替されやすい業務との違いは、判断や責任を人が引き受ける必要があるかどうかにあります。税理士の独占業務税務代理・税務書類の作成・税務相談は、税理士法により、税理士または税理士法人が行う業務と定められています。税理士法第52条は、税理士または税理士法人でない者が、法律に別段の定めがある場合を除いて税理士業務を行うことを禁止しています。別段の定めがある者には、国税局長への通知により税理士業務を行える弁護士などがいます。現行の法律のもとでは、AIが進化しても、これらの業務を担える主体は変わりません。3つの業務は次のとおりです。他人の求めに応じて行うことを前提とします。業務内容主な場面税務代理税務署への申告等の代理や代行、税務調査や処分に関して行う主張や陳述の代理申告手続の代行、税務調査の立会い税務書類の作成申告書など、税務署に提出する書類を自己の判断で作成すること(単なる代書は含まない)確定申告書、法人税申告書の作成税務相談税額の計算に関する事項について、具体的な質問に答え、指示し、意見を表明すること経費や控除の扱い、税額の見込みの相談参考:国税庁 税理士制度のQ&A 6 税理士法違反行為AI時代における税理士の法的責任AIが下書きや処理を行っても、税務書類の内容に責任を負うのは、署名する税理士です。税理士法は、税理士が税務書類を作成したときに、その書類へ署名することを義務づけています。そのため、AIが作成した下書きを使う場合でも、内容を確認する責任は税理士にあると考えられます。AIの出力には誤りが含まれる可能性があるため、取引の事実関係と法令に照らして確認する工程が必要です。責任を引き受ける存在が求められる理由は、誤りが顧客に与える影響の大きさにあります。申告内容に誤りがあれば、追加の納税や加算税などの金銭的な負担が、顧客に生じる場合があります。参考:国税庁 税理士制度のQ&A 6 税理士法違反行為高度な税務判断複雑な法解釈が必要な取引、解釈が分かれるグレーゾーンの取引、毎年の税制改正への対応など、個別の事情を踏まえた税務判断は人に残ります。同じ取引でも、事業内容や目的によって、適切な処理が変わります。消費税では、取引の内容や支出の目的によって、課税、非課税、不課税の区分が変わる場合があります支出が経費として認められるかは、事業との関連性、金額、支払の相手先などによって判断が分かれる場合があります修繕にかかった支出を、その年の費用にするか、資産として計上するかは、支出の内容によって変わります税制は毎年改正されます。インボイス制度や電子帳簿保存法など、新しい制度も加わり、制度の内容は複雑になっています。改正の内容と適用時期を正確に読み取り、顧客の状況に当てはめる必要があるため、判断の難しさは増しています。AIが条文や通達の整理を補助する場合でも、その顧客にとって適切な処理を選ぶ判断は人が行います。税務調査対応税務調査における調査官との協議、論点の整理、および主張の組み立てといった実務は、AIでは代替できず人が直接担うべき重要業務です。税務代理には、税務署に対して納税者の代わりに意見や主張を伝える役割が含まれています。現場の税務調査では、主に以下のような対応が求められます。調査官が投げかける質問の意図や狙いの正確な把握帳簿・契約書などの各種エビデンスに基づく、事実関係の明確な説明法令や通達の解釈に沿った、論理的な主張の整理と交渉こうした業務には、高度な法的知識と対人交渉能力の両方が欠かせません。また、税理士法において独立した公正な立場での活動が求められており、単に納税者の味方をするだけでなく信頼性を担保する存在としての機能も果たします。さらに、申告書に計算や相談内容を記載した書面を添える「書面添付制度」を活用する場合、税務署からの事前意見聴取に応じるのも税理士の重要な役目です。申告内容の根拠を直接説明する機会において、税理士の実務的な介在価値が発揮されます。税理士が申告内容について説明する役割を担う場面といえます。参考:国税庁 税理士制度のQ&A 6 税理士法違反行為 国税庁 税理士制度のQ&A経営者への経営・財務アドバイス資金繰りの改善、融資、事業承継、M&Aなど、経営者の状況に合わせたアドバイスの価値が高まっています。税理士は会計データを預かる立場にあり、数字から経営課題を読み取って助言できます。たとえば、利益が出ているのに現金が不足している場合に、売掛金の回収、在庫、借入の返済といった原因を整理し、対応策を提案できます。申告業務は過去の数字をまとめる仕事で、助言業務は将来の意思決定を支える仕事です。助言業務の付加価値が高くなりやすいのは、経営への影響が大きく、会計、税務、法律、金融の知識を組み合わせて判断する必要があり、対応できる人材が限られるためです。事業承継の需要の背景には、高齢化や後継者不在率の高さが挙げられます。AI時代の税理士に必要な3つのことAI時代に税理士として活躍し続けるために必要なことは、次の3つです。AI・クラウド会計ツールを使いこなす力専門分野に特化する力コミュニケーション能力3つに共通する考え方は、定型作業をAIに任せて時間を確保し、その時間を判断と顧客との対話に使うことです。AI・クラウド会計ツールを使いこなす力AIやクラウド会計を業務に組み込み、作業を効率化する力が求められます。具体的には、次のような使い方があります。銀行口座やカードのデータを取り込み、仕訳を自動化する領収書や請求書をAIの文字認識でデータ化する税制改正の案内文や顧客への連絡文の下書きを、生成AIで作成する条文や通達の検索と整理を、AIに補助させる税理士法は、e-Taxの利用などを通じた業務の電子化を進め、納税義務者の利便の向上と業務の改善進歩を図るよう努めることを、税理士に求めています。ツールの活用は、法律の面からも期待されている取り組みです。未経験者に求められる範囲は、プログラミングなどのIT専門知識ではなく、会計ソフトの操作と、出力結果を会計と税法の知識で確認できる力が中心です。使うツールは事務所ごとに異なるため、入所後に習得する場合が多いと考えられます。AIを敵視せず、業務を効率化する手段として使うと、確認や助言といった付加価値の高い業務に時間を回せます。参考:国税庁 税理士制度のQ&A 2 税理士の業務専門分野に特化する力相続、事業承継、国際税務など、他の税理士と差別化できる専門分野を持つことが強みになります。特定の分野や業種に特化した税理士のニーズが高まる背景には、顧客の課題が多様化し、一般的な記帳や申告だけでは解決できない相談が増えていることがあると考えられます。主な専門分野ごとの、需要の背景と求められる力は次のとおりです。分野需要の背景求められる力相続相続税の課税割合が上昇している。令和6年分は、申告書を提出した被相続人が166,730人で、課税割合は前年の9.9%から10.4%に上昇した相続税法、財産の評価、遺産分割や家族関係への配慮事業承継・M&A中小企業の経営者の年齢と後継者不在率が高い株式の評価、事業承継に関する税制、関係者との調整国際税務海外との取引や海外進出を行う企業の増加語学力、租税条約や外国の税制の知識特定業種(医療、飲食、不動産、ITなど)業種ごとに会計処理や関係する制度が異なる業界の商慣行や、補助金、許認可の制度の理解専門分野の選び方は、需要、求められる専門性、自分の適性、勤務先で扱える案件によって変わります。未経験の場合は、就職先の事務所が扱う分野によって、経験できる分野が決まる面もあります。最初から分野を絞らず、実務を通じて関心と適性を確かめながら選ぶ方法もあります。コミュニケーション能力顧客の悩みを聞き取り、信頼関係を築くコミュニケーション能力は、税理士の価値になります。経営者は、税額の計算だけでなく、資金繰りの悩み、事業承継の不安、投資の判断まで相談できる相手を求めています。野村総合研究所とオックスフォード大学の研究者による共同研究でも、他者の理解、説得、交渉が求められる職業は、人工知能等による代替が難しい傾向にあるとされています。必要なのは、話し上手であることよりも、次の3つの力です。相手の事情を最後まで聞き取る力専門用語を分かりやすく言い換えて説明する力必要な資料や期限を正確に伝える力これらは実務で経験を重ねて磨ける面が大きく、人と話すのが得意でない人でも、聞き取りと説明の準備を丁寧に行うことで対応できる場合があります。向き不向きは、顧問先への訪問や相談対応といった対人業務の比重が高い働き方を選ぶか、書類の作成や検証が中心の働き方を選ぶかによっても変わります。参考:野村総合研究所 ニュースリリース税理士業界の動向は?競争激化と高齢化税理士業界には、登録者数の増加と顧客数の減少による競争激化と、高齢化による若手や未経験者の参入余地という2つの動向があります。これから未経験で参入する人にとっては、勤務先の地域や専門分野によって、どちらの影響が大きいかが変わります。登録者数の増加と顧客数の減少による競争激化税理士の登録者数は増加を続けており、顧客の獲得競争は厳しくなりやすい状況です。日本税理士会連合会の資料による登録者数の推移は、次のとおりです。時点登録者数平成18年69,243人平成23年72,039人平成28年75,643人令和8年8月末82,343人税理士が増える一方で、顧客である中小企業の数は減少傾向にあります。税理士1人当たりの顧客を取り合う状況になりやすく、記帳代行のように他の事務所と差が出にくい業務では、価格競争になりやすくなります。参考:日本税理士会連合会 税理士登録者数高齢化で広がる若手・未経験者の参入余地税理士の高齢化が進む中で、若手や未経験から目指す人にとって、参入できる余地があります。日本税理士会連合会の学生向け資料は、高齢化が進んでいることを踏まえ、若手の税理士の活躍が期待されると説明しています。参入できる余地が生まれる場面として、次の2つがあります。税理士が引退や事務所の縮小を考える際に、顧問先の引き継ぎが必要になる場合がある税理士法人や事務所が、将来の担い手として若手を採用する場合がある未経験者の採用状況は、事務所の規模、地域、時期、簿記論や財務諸表論などの科目合格の有無によって変わります。税理士として登録するには、租税または会計に関する事務に通算2年以上従事した実務経験が必要なため、実務経験を積める職場で働く期間が必要になります。参考:日本税理士会連合会 税理士の資格取得よくある質問未経験から税理士を目指す方が抱きやすい疑問について、質問ごとに回答をまとめます。未経験から税理士を目指すのは、今からでも遅くないですか?A:遅くありません。ただし、学習に充てられる時間と、実務経験を積める環境によって、必要な期間は変わります。国税庁が示す税理士試験の受験資格に、年齢の条件は含まれていません。税理士試験は科目合格制で、合格した科目は生涯有効です。働きながら時間をかけて進める人もいます。AI時代に合った働き方を見据えるなら、定型作業だけでなく、判断や助言ができる税理士を目標にして、学ぶ内容を選ぶことが前提になります。高卒や簿記2級だけでも、税理士試験を受けられますか?A:会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論)は、高卒や簿記2級のみでも受験できます。税法に属する科目は、学識、資格、職歴のいずれかの要件を満たす必要があります。簿記2級の合格だけでは、税法科目の受験資格になりません。最終学歴が高校卒の場合に、税法科目の受験資格を得る主なルートは次のとおりです。職歴:法人または事業を行う個人の会計に関する事務(複式簿記による仕訳、決算、財務諸表作成事務など)に2年以上従事する。税理士、弁護士、公認会計士などの業務の補助事務に2年以上従事する。銀行、信託会社、保険会社などで、資金の貸付や運用に関する事務に2年以上従事する。資格:日商簿記検定1級、または全経簿記検定上級に合格する学識:一定の要件を満たす専修学校の専門課程を修了し、社会科学に属する科目を1科目以上履修する受験資格は令和5年度の試験から緩和され、会計学に属する科目の受験資格の制限がなくなりました。参考:国税庁 税理士試験受験資格の概要まとめ税理士という職業は当面なくならず、AIに代替される作業のみに従事していると将来性が怪しいと言えます。そうした中で未経験から税理士を目指すかどうかは、次の点を踏まえて判断できます。税理士という職業がAIで消滅する可能性は低いと考えられますが、記帳や簡易な申告書の作成など、定型的な業務は自動化が進んでいます独占業務、法的責任、高度な税務判断、税務調査対応、経営者への助言は、人が担う仕事として残りますAI・クラウド会計ツールの活用、専門分野、コミュニケーション能力が、これからの税理士に必要な力です業界は競争が厳しい一方で、高齢化により若手や未経験者が参入できる余地もあり、地域や専門分野によって影響が異なります判断の基準は、AIに任せられる作業ではなく、人が担う判断や助言を仕事にしたいかどうかです。自身の将来像が定まらない、実態を確認したいという場合は転職エージェントにキャリア相談を利用する方法もあります。プロライズキャリアは、3年後、5年後、10年後といった長期のキャリアプランに合わせて様々なフェーズの求人を紹介しており、転職をするか検討する段階から相談できます。