営業事務の仕事内容は、営業担当者が外回りや商談に集中できるよう、書類作成や受発注管理、顧客対応などの内勤業務を引き受けることです。しかし、一般事務との違いや、具体的な業務範囲や必要なスキルについてはわからない方も多いのではないでしょうか?そこで本記事では、営業事務の主な仕事内容や1日のスケジュール、向いている人の特徴をわかりやすく解説します。未経験から挑戦する手順や求人票のチェックポイントまで紹介しているので、営業事務の転職を検討中の方はぜひ参考にしてください。参考:営業事務 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)営業事務の仕事内容とは?基本の4業務を紹介営業事務は、営業担当者が外回りや商談に集中できるよう、書類作成や受発注管理、顧客対応などの内勤業務を引き受け、出荷と入金まで取引を進める仕事です。営業担当者が社外を回っているあいだも、社内では見積書の作成や在庫の確認、納期の連絡といった処理が発生し続けます。これらの処理は、注文が入ってから代金が入るまでの流れに沿って4つに分けられます。分類担う役割主にやり取りする相手受注・発注の処理注文を確定させ、商品が届く状態にする営業担当者、倉庫、仕入先書類の作成取引の各段階で必要な書類を用意する顧客、営業担当者、法務部門問い合わせ対応納期や金額の確認に答える顧客、営業担当者売上データの入力と集計取引の記録を残し、数字を営業部門に渡す営業担当者、経理部門4つの業務は注文が入るたびに並行して動くため、タスクと時間の管理能力が求められます。注文を受けてから出荷までの処理注文を受けてから出荷までの処理は、顧客から届いた注文を確定させ、商品の出荷までを進行管理する業務です。主な作業は次の3点です。注文内容の受け取りと販売管理システムへの登録在庫の確認および欠品時の仕入先への発注確定した納期の連絡と倉庫への出荷依頼在庫が不足している場合は、仕入先へ入荷予定日を確認し、変更された納期を営業担当者と顧客に共有します。使用するツールは、主に販売管理システムやExcelです。社内の倉庫担当者や生産管理担当者と連絡を取り合いながら進めます。求人票に受発注業務と記載があれば、この一連の工程を担当すると考えて問題ありません。見積書・請求書などの書類作成営業事務の書類作成は、取引の進み方に合わせて、決まった順番で必要な書類を用意する業務です。書類作るタイミング記載する主な内容見積書顧客から引き合いを受けたとき商品名、数量、金額、有効期限注文請書顧客の注文を受けたとき注文内容と納期の確認納品書商品を出荷するとき納品する商品と数量請求書納品後、締め日に合わせて請求金額と支払期限契約書継続的な取引を始めるとき取引条件、支払条件、契約期間一度入力した数量や金額は、その後の書類へそのまま引き継がれる仕組みです。手入力による誤りを防ぐため、業務システムから直接出力する運用としている企業が多く見られます。契約書に関しては、法的リスクを避けるため法務部門へ確認を依頼したうえで取り交わす手順が一般的です。日常的に使用するツールには、WordやExcel、販売管理システムなどの業務システムが挙げられます。顧客からの問い合わせ対応営業事務の顧客対応は、電話やメールで届く納期や在庫、金額に関する問い合わせに回答する業務です。営業担当者の不在時には、主に以下のような連絡が入ります。注文内容の変更依頼納期の短縮要望請求金額に関する問い合わせ問い合わせ対応では、即回答できる範囲と営業担当者へ確認する範囲の切り分けが求められます。在庫数や出荷予定日は販売管理システムで確認して直接回答できますが、値引きや納期の変更といった取引条件に関わる内容は営業担当者との協議が必要です。問い合わせの対応件数は、企業や扱う商品によって異なります。営業担当者の不在時に、来客対応を兼務する職場も多く見られます。売上データの入力と集計営業事務における売上データの入力と集計は、日々の受注実績を登録し、月次でまとめて営業部門へ提出する業務です。月末には担当者別や商品別の数値を算出し、営業会議の資料として活用できる形式に整えます。企業によっては、部門の予算管理や仕入先への支払い(買掛金)の確認を担当する場合があります。予算や買掛金の管理を含む求人では、経理業務の基礎経験を積むことが可能です。会社によって担当範囲は2つに分かれる営業事務の担当範囲は、企業によって主に2つに分かれます。営業組織の管理が中心契約、売上、入金など営業全般の管理営業担当者の補佐が中心顧客からの電話やメール対応、見積書や納品書の作成、書類の受け渡し入社後に担当する領域は、求人票の業務内容欄から判断が可能です。管理や集計の記載が先行する求人と、電話対応や書類作成の記載が先行する求人では、任されるメイン業務が異なります。営業事務の1日の流れ営業事務の1日は、午前に書類作成や受発注の手続きを進め、午後に顧客対応や締め作業を行う流れが一般的です。時間帯主な業務その時間帯の特徴8:45〜9:30メールの確認、当日出荷分の受注登録前日の夜に届いた依頼を整理する9:30〜12:00見積書の作成、在庫確認、仕入先への発注締切のある処理を先に進める12:00〜13:00休憩電話当番を交代で担当する職場もある13:00〜15:00顧客からの問い合わせ対応、納期調整電話が増え、作業が中断されやすい15:00〜17:00請求書の発行、出荷手配の確認当日中に確定させる処理が集中する17:00〜18:00売上データの入力、翌日の準備翌日の優先順位を決める午前中は、見積書作成や在庫確認など1人で進められる事務作業が中心です。午後は電話対応や納期調整のほか、請求書の発行や売上データの入力といった期日の決まった締め作業が中心となる流れです。時間帯ごとの業務傾向を把握しておくことで、営業担当者への支援を円滑に進めることが可能です。営業事務と一般事務・営業職の違い営業事務と一般事務、営業職の違いは、業務内容ややり取りする相手、成果の測られ方にあります。項目営業事務一般事務営業職主な業務受発注の処理、書類作成、顧客対応文書作成、データ入力、庶務全般顧客への提案と価格の交渉やり取りする相手顧客、仕入先、営業担当者社内の各部署が中心顧客成果の測られ方取引が滞りなく進んだか依頼された処理を正確にこなせたか売上目標の達成度一般事務との違いは社外との接点の多さ一般事務との主な違いは、社外の顧客や仕入先と直接やり取りする機会の多さです。一般事務は社内向けの定型業務や電話の取り次ぎが中心となる一方、営業事務は納期や金額を確認したうえで顧客へ回答する役割を担います。日常的に社外と接する場面が多いため、正確な事務処理能力に加えて、円滑にコミュニケーションをとる姿勢が求められます。関連記事:事務の仕事内容とは?職種による違いと1日の流れを紹介営業職との違いは売上目標を持つかどうか営業職との主な違いは、個人の売上目標を負うかどうかにあります。同じ顧客に対応する場合でも、営業職が提案や価格交渉を行うのに対し、営業事務は見積書の作成や納期の調整を担当します。売上目標の有無によって評価の基準が異なり、営業事務は数値を直接追うのではなく、営業活動全般を後方から支援する役割を担います。営業事務が自分に合うかを判断する材料営業事務への適性は、特別なスキルや経験の有無よりも、日常的な事務処理や社内外の調整に対応できるかで決まります。向き不向きは、次に挙げる特徴に当てはまるかどうかが目安になります。営業事務に向いている人の特徴営業事務の仕事に向いている人の特徴は次の3点です。社外との電話やメール対応を円滑に行える決まった作業手順を正確に実行できる複数の依頼に対して優先順位を判断できる顧客からの問い合わせ対応や要望の聞き取りなど、社内外との連絡業務が日常の大きな割合を占めます。入力した数量や金額が納品書や請求書に直結するため、確認を怠らない正確性が欠かせません。急な納期変更が発生した際に、状況に合わせて優先順位をその都度組み立てられる人が適しています。営業事務が大変だと感じやすい人の傾向営業事務の仕事で大変だと感じやすい人の傾向は次の3点です。要件の確認・取り次ぎに苦手意識がある確認作業や決められた手順の継続が苦手である突発的な割り込み業務への対応にストレスを感じる顧客と営業担当者の間で納期や条件の調整を行う機会が多いため、対人でのやり取りを避けたい場合は負担となりやすい側面があります。大雑把な対応や手順の省略が取引のミスに直結するため、確認を重ねる作業を続けにくい人は苦労しやすくなります。日常的に電話対応や突発的な依頼が入るため、1つの作業のみに集中したい人はギャップを感じやすくなります。未経験から営業事務を目指す方法営業事務は、実務経験がない状態からでも目指しやすい職種です。企業間取引を行う多様な業界で幅広く募集されており、正社員としての採用も少なくありません。具体的には、次のような業界をはじめ多くの企業で採用されています。建設業製造業情報通信業金融業・保険業全国の就業者数は87万人以上にのぼり、事務職のなかでも規模の大きい職種です。実際に働く人が多いと感じる就業形態としても、正社員が77.8%で最も高い割合を占めています。応募の際は、求人票で担当する業務範囲や教育体制の確認が大切です。学歴と資格は入職の条件になっていない営業事務への就職や転職において、特定の学歴や専門資格は必須とされないことが一般的です。厚生労働省の調査では、入職前の実務経験についても特に必要ないとの回答が55.6%で最多を占めています。入職後は、OJTを通じて業務システムの操作や実務手順を習得していく流れが主流です。選考時は、応募条件の有無よりも、入社後の教育体制や引き継ぎ期間が確保されているかを見ておくと安心です。参考:営業事務 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)先に用意しておくと選考で伝えやすいスキル選考時にアピールしやすいスキルは、実務で頻繁に活用するパソコン操作と基本的なビジネスマナーです。具体的には次の4点が挙げられます。Excelでのデータ集計や基本関数の操作Wordによる社外向け文書の作成ビジネスメールや電話応対のマナー販売管理システムへのデータ入力経験Excelは売上データの集計、Wordは社外向け文書の作成に日常的に使用します。メールや電話での応対スキルは、顧客からの問い合わせに対する一次対応で欠かせません。販売管理システムは企業ごとに使用製品が異なりますが、入力作業の経験があれば評価の対象となります。資格の所持は必須ではありませんが、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)や秘書検定などを取得しておくと、客観的なスキルの証明として有効です。求人票では営業アシスタント・営業サポートとも呼ばれる営業事務の仕事は、求人票によってさまざまな職種名で募集される傾向があります。代表的な別称は次のとおりです。営業アシスタント営業サポート受発注管理事務員職種名が異なっていても、業務内容欄に受発注処理や見積書作成の記載があれば、実質的な仕事内容は営業事務と変わりません。検索条件を営業事務のみに限定せず別の名称も含めて探すことで、希望に合う求人の選択肢が広がります。求人票で確認したい4つのポイント営業事務の仕事を探す際は、次の4点を確認することが大切です。業務内容の軸(営業組織の管理が中心か営業担当者の補佐が中心か)電話対応の割合繁忙期と平均残業時間使用する業務システム業務の軸は、求人票の業務内容欄の先頭にどの業務が並んでいるかで判断できます。電話対応の多さは、顧客対応や一次対応といった言葉が使われているかが目安となります。残業時間については、月平均の数値だけでなく月末や決算期に関する記載の確認も必要です。使用するシステム名が具体的に書かれていれば、事前に習得すべきツールの範囲を把握できます。求人票で確認できない項目は面接時の質問として整理しておくと、入社後のギャップ防止に有効です。営業事務についてよくある質問Q. 営業事務と一般事務の違いは何ですか?Q. 営業事務は未経験でもできますか?Q. 営業事務に資格は必要ですか?Q. 営業事務の年収はどれくらいですか?Q. 営業事務がきついと言われるのはなぜですか?Q. 営業事務の求人はどう探せばよいですか?Q. 営業事務は残業が多いですか?Q. 営業事務の経験は次のキャリアに活かせますか?Q. 営業事務と一般事務の違いは何ですか?A:支える相手が営業部門に限られ、顧客や仕入先と直接やり取りする点が違います。一般事務は社内向けの定型業務が中心で、電話も取り次ぎが多くなります。営業事務は、納期や金額を自分で確認したうえで社外に回答する立場です。Q. 営業事務は未経験でもできますか?A:未経験からでも応募できます。入職にあたって特別な学歴や資格は求められていません。ただし入社後にOJTで覚えていく前提のため、教育体制が整った職場を選ぶ必要があります。Q. 営業事務に資格は必要ですか?A:必須の資格はありません。選考で見られるのは、Excelでの集計やWordでの文書作成といったパソコンスキルと、業務システムを扱えるかどうかです。実務経験がない段階では、MOSなどが操作できることの証明として使えます。Q. 営業事務の年収はどれくらいですか?A:ハローワークの求人に提示される賃金は月額23万円台、在職者の平均年収は525.1万円です。2つの数字は出典が異なり、求人賃金は募集時に提示される額、平均年収は営業事務員という職業分類の在職者を対象とした賃金構造基本統計調査の値です。平均年収のほうは平均年齢43.3歳の層が対象で、賞与や残業代、勤続年数に応じた昇給が反映されているため、未経験で入職する時点の水準とは開きがあります。未経験での入職時は求人賃金に近い水準から始まり、経験を重ねるにつれて上がっていくと捉えると実態に近くなります。参考:営業事務 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)Q. 営業事務がきついと言われるのはなぜですか?A:月末や決算期など、締めの処理が重なる時期に負荷が集中するためです。1年を通して忙しい仕事ではなく、時期による波が大きいのが特徴です。営業担当者と顧客の要望が食い違ったときに、調整役として間に入る場面も負担として挙げられます。Q. 営業事務の求人はどう探せばよいですか?A:営業事務に加えて、営業アシスタントや営業サポートといった語でも検索します。同じ内容の仕事が別の名称で募集されているため、検索する語を1つに絞ると候補を取りこぼします。Q. 営業事務は残業が多いですか?A:残業は一般的には少なく、完全週休2日制が基本とされています。ただし月末や決算期は例外です。求人票の残業時間の記載を確認し、書かれていない場合は面接で繁忙期の実態を聞くと、職場ごとの差が見えます。Q. 営業事務の経験は次のキャリアに活かせますか?A:取引の流れを一通り扱うため、経理や他の事務職、営業職への異動につながる場合があります。異動の制度は会社によって異なります。求人票に職種転換やジョブローテーションの記載があるかどうかが、判断の材料になります。まとめ営業事務は、営業担当者が外回りや商談に集中できるよう、書類作成や受発注管理、顧客対応などの内勤業務を引き受け、出荷と入金まで取引を進める仕事です。担当する範囲は会社によって大きく変わり、営業組織の管理が中心の職場と、営業担当者の補佐が中心の職場に分かれます。求人票の業務内容欄で先頭に並ぶ業務と、電話対応についての書き方を見れば、どちらに近いかの見当がつくはずです。残業や繁忙期など、求人票に書かれていない項目は、応募前に確認しておくと入社後のずれが小さくなります。働き方の希望が固まりきっていない段階でも、転職エージェントに登録して求人の中身を確認しておくと、比べる材料が増えます。営業アシスタントや一般事務、経理事務なども含めて考えたい場合は、ライフプランから最適な求人を紹介するプロライズキャリアにご相談ください。関連記事:事務職におすすめな転職エージェント7選!選び方と使い分けを解説