事務職の働く場所は企業から団体、官公庁まで幅広く、就業者数は263万人以上にのぼり、会社にとって欠かせないポジションです。基本的な事務の仕事は、書類やデータを作って確認し、整理することと、社内外の連絡や応対です。この記事では、事務の業務を5つに分けて具体的に説明し、1日の流れ、職種による事務の仕事内容の違い、未経験から目指すときの進め方までをまとめました。事務の仕事に興味がある方や、異業種の事務職へ転職を検討している方はぜひ参考にしてください。参考:一般事務 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)事務の仕事内容とは?基本の5業務を紹介事務の仕事では、社内の規則や業務手順書で決められた定型的な作業を担当します。大きく分けて、仕事は以下の5業務に分けられます。文書作成データ処理応対整理保管庶務具体的な仕事内容について解説します。文書・資料の作成社内の申請書や報告書、取引先に送る案内文を作成します。使うのはWordが中心で、数字を含む資料はExcelやGoogleスプレッドシートで作ります。会議で配る資料をPowerPointで用意する職場もあります。多くの職場には既存のフォーマットがあり、日付や金額、宛名を差し替えて仕上げる形が基本です。ゼロから文章を考えるより、決まった書式を正確に埋める作業が中心になります。データ入力とチェック売上高や取引件数などの数値を、業務システムやExcelに入力します。入力した数値は、伝票や台帳と突き合わせて確認します。金額の桁が違う、日付が前月のままになっているといった食い違いを見つけ、直すところまでが一連の作業です。集計した数値をもとに図やグラフを作り、資料に反映することもあります。入力の速さより、間違いに気づけるかどうかが評価につながります。電話・メール・来客の応対社内からの取次ぎと、社外からの問い合わせに対応します。部署あてにかかってきた電話を担当者につなぐ、取引先からのメールに社内で決まった文面で返信する、訪ねてきた相手を受付から会議室へ案内するといった対応が毎日発生します。担当者が席を外していれば、用件を聞いて伝言を残します。黙々と手を動かす仕事ではありません。1日を通して人とのやりとりが入ります。書類とデータの整理・保管契約書や請求書、各種届出書類を決められた期間と方法に従って管理する業務です。社内ルールで規定されたファイル名の決定や保管年限を守り、正確に保管します。主な保管方法は以下の3種類です。紙媒体によるファイリング社内サーバーでのデータ保存クラウドストレージでのフォルダ管理保管場所を正確に把握しておくことで、部署全体の業務効率化につながります。備品発注・郵便物などの庶務庶務とは、組織の円滑な運営を支える各種サポート業務全般を指します。企業規模や社内体制によって、担当する業務範囲が大きく変わるポイントです。一般的な庶務の仕事内容は以下の通りです。郵便物の発送・受け取り事務用品や備品の発注・在庫管理スケジュール調整や出張の手配専任部署がない少人数の企業では、以下の専門業務を兼務する傾向があります。勤怠管理・給与計算小口現金の管理福利厚生の手続き社内行事の企画・運営担当する領域が最も変化しやすい分野のため、求人票の業務内容欄で対応範囲をあらかじめ確認することが重要です。事務の1日の流れは午前・午後・夕方で業務の質が変わる午前は他の人からの依頼に反応する時間、午後は自分の作業を進める時間、夕方は確認と締めの時間です。時間帯主な業務使うツール・関わる相手8:45始業準備、メールの確認メール、業務システム9:00〜12:00電話応対、依頼の受付、郵便物の仕分け、データ入力電話、社内の各部署、取引先12:00〜13:00休憩-13:00〜16:00資料作成、伝票処理、書類のチェックWord、Excel、コピー機16:00〜17:30送付物の準備、翌日の依頼整理、ファイリングプリンター、郵便、社内サーバー午前は電話や依頼が差し込みで入るため、作業が細切れになります。まとまった時間が必要な資料作成は、依頼が落ち着く午後に回すのが一般的です。夕方は当日中に出す書類を仕上げ、翌日の段取りを整えます。集中できる時間帯があらかじめ読めるので、仕事の順番を自分で組み立てる余地があります。事務職の種類は7つ!職種の分類と仕事内容の違い事務は担当する領域ごとに分かれており、求人は職種名で募集されます。営業部門を支える職種と、会社全体の管理を担う職種では、日々の業務が違います。同じ仕事が別の名前で募集されていることもあるため、求人を探すときは複数の呼び方で検索してください。ここでは代表的な7職種を、業務とやりとりする相手で比較します。職種主な業務やりとりする相手求人票での別名称一般事務文書作成、データ入力、庶務社内の各部署事務スタッフ、OA事務、庶務営業事務見積書や請求書の作成、受発注、納期調整営業担当、顧客営業アシスタント、営業サポート、受発注事務経理事務伝票処理、入出金の管理、決算の補助社内、取引先、会計事務所会計事務、経理アシスタント人事事務・労務事務採用や異動の手続き、勤怠管理、社会保険手続き社員、行政機関人事アシスタント、労務担当総務事務設備や備品の管理、社内規定の周知、株主総会や社内行事の運営全社総務担当、管理部門事務学校事務学籍管理、証明書の発行、窓口対応、予算管理学生、教職員大学職員、学校法人事務医療事務受付、会計、診療報酬請求患者、医療機関医事課職員、受付事務、病棟クラーク一般事務と営業事務の違い一般事務は社内の各部署から依頼を受けて動き、営業事務は営業担当と顧客の間に立って受発注を回します。項目一般事務営業事務主な起点社内の各部署からの依頼営業担当の指示、顧客からの問い合わせ代表的な業務文書作成、データ入力、庶務見積書と請求書の作成、受発注、納期調整求人賃金(月額)20.8万円23.1万円年収541.4万円525.1万円正社員の割合60.4%77.8%参考:一般事務 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)営業事務 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)営業事務のほうが、正社員として募集される割合が高くなっています。オフィスワークに就くことが目的であれば、一般事務だけに絞らず営業事務も候補に入れると、応募できる求人の幅が広がります。関連記事:営業事務の仕事内容とは?1日の流れと一般事務との違い一般事務と総務事務の違い一般事務は担当部署の定型業務をサポートする仕事であり、総務事務は組織全体に関わる業務全般を担当します。両者の主な違いは、対応する対象が特定部署内か会社全体かという点です。総務事務が担当する主な仕事内容は以下の通りです。建物や社内設備の管理社内規定の作成・周知株主総会や取締役会の準備・運営防災訓練や社内イベントの企画組織体制により、独立した総務部が存在する場合と、一般事務が総務業務を兼務する場合があります。求人票の職種名のみで判断せず、記載された仕事内容の詳細を確認することが重要です。事務の年収・労働時間・雇用形態の実態一般事務の平均年収は541.4万円、1か月の労働時間は157時間とされています。項目数値年収541.4万円労働時間(1か月)157時間平均年齢44.6歳時給換算(一般労働者)2,718円時給換算(短時間労働者)1,490円求人賃金(月額)20.8万円参考:一般事務 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)平均年収541.4万円は勤続年数の長い人員も含めた数値であり、就業時点の給与水準には求人賃金の月額20.8万円が該当します。基本の勤務時間は規則的であり、土日祝日が休みの職場が中心です。ただし、月末などの締め切りが集中する時期は時間外労働が発生しやすいといえます。事務の仕事は正社員に限らず、柔軟な働き方が用意されています。この職業で多い就業形態は以下の通りです(複数回答のため、合計は100%を超えます)。就業形態割合正規の職員、従業員60.4%パートタイマー33.3%派遣社員25.0%契約社員、期間従業員18.8%参考:一般事務 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)事務は正社員以外の選択肢も豊富で、ライフスタイルに合わせた働き方を選びやすい職種です。事務の有効求人倍率は0.3倍!競争率が高い中で未経験から採用される3つのポイント一般事務の有効求人倍率は0.3倍で、全職業平均の1.25倍を大きく下回ります。有効求人倍率とは求職者1人あたり何件の求人があるかを示す数値で、1倍を下回るほど競争率は高くなります。求職者10人に対して求人は3件ほどしかない計算になり、1件の求人に応募が集中しやすい状況です。採用可能性を高める主な対策は以下の3点です。営業事務など担当範囲の広い職種も視野に入れるパートや派遣社員として実務経験を優先的に積む客観的なスキルや資格を用意する参考:一般事務 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について | 厚生労働省営業事務の有効求人倍率は1.42倍で、求職者10人に対して求人が14件ある計算です。一般事務よりも募集を見つけやすく、応募範囲を広げることで選考の機会を増やせます。また、パートや派遣社員の求人は未経験者を対象とした募集が多く存在します。実務経験を得てから正社員へ挑戦する方法は、選考時における強力なアピール材料です。業務に活かせる能力としては、Excelでの関数集計スキルやMOS資格の取得が挙げられます。実績やスキルを客観的に証明できれば、書類選考時の判断材料として有効です。応募先を一般事務だけに固定するか、営業事務や総務事務まで広げるかで、候補になる求人の数は大きく変わります。事務に向いている人の特徴事務の仕事に向いている人の特徴は、正確な確認作業を苦にせず、周囲からの依頼へ柔軟に対応できる点です。主な特徴として以下の4点が挙げられます。同じ作業の繰り返しでも集中力を維持できる書類やデータの細かい誤りに気づくことができる電話応対や対面での会話に抵抗がない複数の業務を並行して効率よく処理できる事務の仕事は、決められた手順を正確に繰り返す作業が大半を占めます。伝票の金額や書類の日付といった細部の誤りを見逃さない姿勢が、仕事の精度に直結するからです。作業中に電話応対や急な依頼が入る機会も頻繁に発生します。一度手を止めて適切な対応を行い、元の作業へスムーズに戻る切り替え能力が不可欠です。自身の処理によって部署全体の業務が滞りなく進む状況に手応えを得られる人は、長期的に活躍しやすい傾向にあります。一方で対人業務を避ける目的のみで選ぶと、実際の応対機会の多さにギャップを感じるため注意しましょう。未経験から事務を目指す方法事務は、学歴や資格が応募の条件になっていない職種です。未経験からの応募が想定されているため、これから目指す人にも入り口があります。ここでは応募の条件、準備しておくとよいもの、求人票の見方を順に説明します。事務は学歴・資格がなくても応募できる事務の仕事は、特別な学歴や資格がなくても応募可能です。実務経験や事前訓練を必須としない企業が大半を占めます。厚生労働省による就業に関する調査結果は以下の通りです。入職前の実務経験は不要:56.3%入職前の訓練期間は不要:54.2%学歴別の内訳を見ると大学卒業が最も多いものの、高等学校卒業や短期大学卒業も一定の割合を占めています。大学卒業:41.7%高等学校卒業:20.8%短期大学卒業:10.4%一人前として働くまでに必要な期間は、1か月を超えて6か月以内という回答が27.1%で最多です。事務は具体的な仕事内容を入社後に習得する職種であり、未経験者も段階的に業務を覚えられます。参考:一般事務 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)事務職の選考で有利になる資格事務の仕事において選考で特に有利になる資格は、MOS(Microsoft Office Specialist)と日商簿記2級です。MOSは、ExcelやWordといったオフィスソフトの操作技能を認定する資格です。実務経験がない場合でも、一定以上のパソコン操作能力を備えていると証明できます。日商簿記2級は、帳簿記入や決算書の読み方に関する知識を証明する資格です。取得によって経理業務や決算補助を伴う求人まで、応募範囲を広げることが可能になります。どちらも業務に必要なスキルや専門知識を客観的に証明できるため、選考でのアピールに役立ちます。事務職の求人票で確認すべき3点事務の求人票を確認する際は、職種名のみでなく具体的な仕事内容や労働条件での判断が必要です。確認すべき主な項目は以下の3点です。担当業務の範囲雇用形態と契約期間求められるパソコンスキルのレベル担当業務の範囲に関しては、書類作成を中心に担当するのか、勤怠管理や小口現金の管理まで含むのかによって実際の働き方が変化します。雇用形態と契約期間の欄では、正社員・契約社員・派遣社員といった区分ごとの契約期間や更新条件の確認が不可欠です。パソコンスキルの要件においては、Excelの基本関数で足りるのか、ピボットテーブルを用いたデータ集計やマクロによる作業自動化まで求められるのかを見極めます。自身に適合する事務の仕事内容が判断できない段階では、転職エージェントの活用も選択肢の1つです。具体的な応募先が未定の状態であっても、募集中の求人傾向を把握する目的から利用可能です。たとえばプロライズキャリアでは、3年後・5年後・10年後といった将来のキャリアイメージを整理する段階から相談できます。関連記事:事務職におすすめな転職エージェント7選!選び方と使い分けを解説事務についてよくある質問事務の仕事はAIや自動化でなくなるのですか?一般職と事務職は同じものですか?事務にはどの程度のパソコンスキルが必要ですか?派遣やパートから事務を始めるのはどうですか?事務の仕事は男性でも応募できますか?事務の経験を積むと、どんな仕事に進めますか?事務の仕事はAIや自動化でなくなるのですか?A:定型的な事務作業では、機械化と自動化、業務のアウトソーシングが進んでいます。一方で、内容の確認や社内外との調整、応対のように判断を伴う業務は残ります。担当範囲の広い職種や、経理・人事といった専門領域に軸足を移すと、影響を受けにくくなります。一般職と事務職は同じものですか?A:一般職は雇用区分の名称、事務職は仕事の内容による職種の名称で、指しているものが違います。新卒採用で総合職と一般職を分けている企業では、一般職の配属先が事務部門になることが多くあります。中途採用では雇用区分ではなく、職種名で募集されるのが一般的です。事務にはどの程度のパソコンスキルが必要ですか?A:WordとExcelで、指定された書式の作成と編集ができる水準が目安です。職場で使うのは、Wordや一太郎などの文書作成ソフトと、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトです。あわせてプリンター、コピー機、FAX、電話も日常的に扱います。Excelで関数と表の作成まで対応できると、応募できる求人が広がります。派遣やパートから事務を始めるのはどうですか?A:非正規で働く人の割合が高い職種のため、実務経験を積む入り口としては現実的な選択肢です。未経験を対象とした求人は、正社員より派遣やパートのほうが見つかりやすい傾向があります。実務を経験してから正社員の求人に応募すると、選考で示せる材料が増えます。ただし契約期間や更新の条件は雇用形態によって違うため、応募前に確かめてください。事務の仕事は男性でも応募できますか?A:応募できます。就業者は女性が多い職種ですが、募集の条件が性別で分かれているわけではありません。募集や採用で性別を理由に対象を限定することは、法律上原則として認められていません。担当範囲の広い営業事務や総務事務も候補に含めると、選択肢が広がります。事務の経験を積むと、どんな仕事に進めますか?A:経理事務や人事事務、総務事務など、特定の領域を扱う専門事務に移る道があります。事務で身につく書類作成、データ管理、社内の調整は、どの事務職でも使う土台になります。ここに簿記や社会保険の知識を足すと、専門領域の求人に応募しやすくなります。まとめ事務は組織の運営を支える重要なポジションであり、仕事内容はデータ入力や書類管理、電話応対など多岐にわたります。特別な学歴や資格がなくても挑戦できる一方、有効求人倍率は1倍を下回り競争率は高いため、事前に自身の適性や希望する働き方を明確にしておくことが大切です。営業事務や総務事務などを含めて幅広く検討すると、未経験からでも選択肢が広がります。 事務の仕事へ応募する準備として、まずは希望条件に合う転職エージェントへ登録して最新の求人情報を確認しましょう。オフィスワークや関連職種への転職をお考えなら、将来のキャリア像から相談できるプロライズキャリアをご活用ください。